職員室の声

職員室の声

 

鹿児島第一中学校職員が、週2回、リレーでお届けするフリーメッセージです。

 

1学期終業式(神田)

2017-07-20

 

 皆さん、おはようございます。大掃除、大変御苦労様でした。皆さんが時間いっぱい取り組んでくれたお陰で、校舎内外がきれいになったのではないかと思います。 夏休みの補習期間中も清掃はありますが、いつも現在のようなきれいな状態を維持できるように一人ひとりが心掛けて欲しいと思います。

 

 さて、本日でひとまず1学期が終了ということになりますが、今日は皆さんの今後の生活の中でヒントになりそうなことを一つ話したいと思います。それはいろい ろな意味で若い内にできるだけ失敗を経験して欲しいということです。これまで順風満帆の生活を送ってきた皆さんに、失敗を経験して欲しいとは何事かと思う人も中にはいるかもしれませんが、昔から「失敗は成功の母」とも言われるように人生には、特に若い時代には適度な失敗経験が必要であると私は日頃から思っています。

 

 例えば、君達も知っているかもしれませんが、日本は、パソコンやテレビに使われている液晶ディスプレーに関する世界大国です。この液晶という素材は、性質の安定が非常に難しく、画面がなかなかうまく映ってくれない時期があったのだそうです。液晶に電気を流せば変化することは分かっていても、反応が遅くボヤッとした画面しかできなかったらしいのです。ある時、ある会社の研究員が、一瓶何万円もする高価な液晶が入った瓶の蓋をうっかり閉め忘れ、一晩置いてしまいました。空気中の不純物が溶け込んだ液晶は使い物にならないので捨てようとしましたが、大変高価なものなので、ダメで元々という気持ちで、その液晶で実験をしてみました。すると、今までになく反応の早い、素晴らしい画面が出現したのだそうです。純粋なものよりも適度な不純物が入っていた方がうまくいったのです。

 

 このように、科学の世界では、文字通り「失敗が成功の母となる」ことは良くあることであり、ある研究者は「実験結果が理論どおりにならないとき、この結果の中に、今までに発見されていない未知の要素があるのではないかとワクワクする」と語っています。

 

 それでは、君達にとってこれからの人生、何でもかんでも、やみくもに失敗すれ ばいいのかというと、そうではありません。同じ失敗でも、後ろ向きの失敗よりも、前向きの失敗、つまり、新しいことにチャレンジしての失敗の方が良いということ は勿論ですが、むしろ失敗をした後が問題なのです。

 

 失敗をしてしまった後の対応として、「反省」をする人と「後悔」をする人がいる という分析結果があります。「反省」をする人は、それでも自分には能力があると考え、失敗の原因を分析し、再チャレンジしていきます。ところが、「後悔」する人は、 自分には能力がないとあきらめてしまって、そこでチャレンジすることをやめ、ただ挫折感・敗北感に浸るだけで終わってしまいます。この違いが、その後の人生に 大きな差となって表れてきます。ここにいる皆さんには、誰にでも大きな可能性があります。能力も持っています。若さもあります。だから、何かにチャレンジして 仮に失敗することがあっても、まだまだやり直すチャンスはいくらでもあるのですから「後悔」する必要はどこにもないはずです。勉強でも何でも、様々な失敗をバ ネに、しっかり反省して、やり直せばいいのです。

 

 ある企業家は「どんなにいい仕事でもやめれば失敗になるのです。正しいと思っ たことは、やめなければ必ず本物になります。ですからどれだけ苦しい状況に陥っ ても、一度やると決めたことは最後まで続けます」と言っています。失敗を恐れ、 縮こまっている状態からは斬新な発想は生まれません。失敗を恐れず、様々なこと に前向きにチャレンジをしてください。そして、仮に失敗した場合でも、後悔する ことなく、その原因を探り、謙虚な姿勢で反省をした上で再チャレンジの道を選び 取っていって欲しいと思います。

 

 人は厳しい状況に会えば会うほど、強く逞しくなるとも言います。特に若い内の 挫折は、これからの充実した人生を育てる栄養に必ずなります。君達はまだ十分に 若い、是非、目の前の障害を一つずつ乗り越えて成長していって欲しいと思います。

 

 最後に、夏休みとは言っても、サマースクールや夏期補習、中学生は、それ以外 の行事もいろいろ予定されていますが、中学生や高校1・2年生の皆さんは、様々なことにチャレンジしたり、親子でじっくり今後の進路などについて話し合いの時 間を持ったりするのもいいのではないでしょうか。酷なようですが高校3年生には、そんな時間的な余裕はないと思います。あれも、これもと欲張りすぎずに実現可能な計画を立てて受験に向けて取り組んでください。全員が熱中症や水難事故などに気をつけて充実した夏休みを送ってくれることを願って、終業式の式辞とします。

 

 

(校長代理 神田 芳文)