職員室の声

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鹿児島第一中学校職員が、週2回、リレーでお届けするフリーメッセージです。

 

2017修学旅行~文学世界を巡る旅~(本髙)

2017-12-05

 

 11月15日~17日、三日間とも風もなく よく晴れた穏やかな素晴らしい修学旅行だった。

 

 修学旅行を終えて間もなく一カ月が過ぎようとしているが、多くの生徒たちが今もなお懐かしい思い出を心に抱きしめていることだろう。その中でも二日目のUSJで爆遊(註 私の造語)した日のことが脳裏に焼き付いて離れないことだろう。私はUSJよりも初日と三日目の神戸~京都~奈良を巡る行程の方が興味深かった。この行程は文学をそして古典を巡る旅でもあったのだ。

 

 とりわけ奈良公園内では春日山や手向山の麓を歩きながらガイドさんも懇切丁寧に解説して下さった。「『このたびはぬさもとりあへずたむけやま』。この百人一首の上の句に続く下の句を言える人はいますか。」ガイドさんの質問に間髪入れず即答する少年がいた。「もみぢのにしきかみのまにまに」 3年2組の敷根幸明(大口小出身)だった。ガイドさん曰く「今の問題の正答率は日本人の1割以下の難問だ。中学生なのによく知っていたなあ」と感心することしきり。百人一首を学習してきてよかったと思った瞬間だった。

 

 

 この歌以外にも私たちがバスの移動を含めて見聞した百人一首は十首にも及ぶ。百人一首以外でも神戸は「須磨」である。源氏物語には「須磨の秋」の有名な一節があり、ここから望む淡路島の景観も趣深いものがあった。

 

 

 最後に訪れ爆笑のうちにお坊さんの説教を拝聴した薬師寺では次の有名な現代短歌も思い起こされ今も目を閉じるとその光景がしみじみと浮かんでくる。

 

 

ゆく秋の大和の国の薬師寺の塔の上なる一ひらの雲

 

 

(本髙 和弘)