職員室の声

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鹿児島第一中学校職員が、週2回、リレーでお届けするフリーメッセージです。

 

3学期始業式(神田)

2018-01-05

 皆さん、明けましておめでとうございます。希望に満ちた平成30年の幕が開きましたが、皆さんは、新しい年をどのような気持ちで迎えたでしょうか。それぞれ 今年に賭ける思いを持って、新学期を迎えてくれたことと思います。今年は、明治維新から150年、そしてそれに呼応するかのように今年はNHKの大河ドラマで 「西(せ)郷(ご)どん」が放映されますので、我々鹿児島県民にとっては観光を始め、「篤姫」以来の鹿児島ブームの再来が大いに期待される年となりそうです。

 

 

 さて、イギリスの詩人・シェリーという人の「西風に寄せる歌」という詩の中に「冬来たりなば春遠からじ」という一節があります。聞いたことがあるという人もいると思いますが、『冬がやって来たら、春がやって来るのもそう遠くないだろう』というのが直訳で、一般的には『今は例え冬のように辛く苦しくても、やがて明るく幸せな時はやって来るだろう』というような喩えとして使われたりもするわけですが、この言葉の中にはそれ以外にも、ただ単にジッと冬を耐えて待つだけではなく、冬のエネルギーによって自分を再生し、春の到来に備えようとする積極的な激しい力が込められているのだとも言われています。自然界にある草や木にしても、冬の寒さに耐えながら、すでに春に向けて準備を進めているのと同じことです。スポーツなどでも同じことが言えます。冬の時期がシーズンオフとなるスポーツ選手などが、来たるべきシーズン到来に向けて基礎体力作りなどで身体を鍛えておくのに似ています。

 

 君たちの場合は、言うまでもなく勉強が本業であるわけですから、まずはその勉 強の下地を作って、来たるべき受験に備え、力を蓄えていくということが大切なことだろうと思います。

 

 

 最近、とある生徒と話す機会がありました。その生徒は高校入学後、次第に学校から足が遠ざかり、欠席と欠課時数が増えている生徒でした。何が学校から足を遠ざけるきっかけになったのかと尋ねたところ、その生徒はこう言ったのです。「中学校までは普通に勉強していればある程度の良い成績を残せたけれど、高校入学後、それだけでは通用しなくなり、自信を失い、学校から足が遠のいた」というような話をしてくれました。皆さんの中にも勉強などで自信を無くしかけている人がいるのではないかと思ったりもするのですが、もしそういう人がこの中にいたとしたら、過ぎた時を後悔するより、これから訪れる時を活かすことを考え、とにかく諦めず に努力することが大事だろうと思います。そして、「僕(私)にはできない」じゃなくて、取り敢えずできることから始めてみることです。

 

 

 ちなみに、先ほどの生徒の名誉のために言っておきますが、現在は欠課時数こそ、まだ多いですが、本人がそれなりの努力をしている甲斐もあって、成績はそこそこ いいということを付け加えておきたいと思います。

 

 元の話に戻しますが、人間の一生というのは、大方帳尻はあうように出来ている ような気がします。年がら年中、盆と正月で楽しいことばかりということもないし、 生まれてこの方、毎日が地獄ということもありません。中国の故事にあるように「人 間万事塞翁が馬」であり、「禍福はあざなえる縄のごとし」です。今という時が苦し い日々ならば、やがては楽しい日が必ずやってくるし、今がバラ色の日々ならば、 これはいつまでも続くものではないと次に備えるべきなのだろうと思います。

 

 

 2000年のシドニーオリンピック・マラソン競技で金メダルを取った高橋尚子 という選手は、高校までは全くの無名選手であったわけですが、実業団に入って名 将・小出監督と出会い、監督の指導に素直に従い、監督が練習をやめろと言うまで 練習を続けていった結果、一流選手の仲間入りを果たしたというのは有名な話です が、その彼女の座右の銘にしていた言葉が「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根 を伸ばせ。やがて大きな花が咲く」というものです。つまり、結果が出ないような時でも、腐らずに地道な努力を続けよと、そうすれば必ず後から結果が付いてきて、大きな花が咲くという意味です。この座右の銘も、まさに先ほどの「冬来たりなば、春遠からじ」とほぼ同じ内容だと言えます。要するに「努力は裏切らないから、コ ツコツ地道に努力せよ」ということです。

 

 学校で言えば、高橋選手に当たるのが君たちで、小出監督に当たるのが先生方と いうことになりますので、勉強は勿論ですが、部活動の面でも先生方の指導に素直に従って、皆さん一人ひとりが地道な努力を心掛けて欲しいと思います。

 

 

 3学期は、期間も一年の中で一番短く、中・高の入試や卒業式などもあり、気持 ちの上でも慌ただしい学期です。高校3年生にとっては高校生活の締めくくりの時、 そしてまた、中学生や高校1・2年生にとっては、それぞれ上級学年に備える時で もあります。繰り返しになりますが、消極的な姿勢で春(次の学年)を待つのでは なく、しっかりとした心構えで、いろいろなことに積極果敢に取り組んで春を迎え てほしいと思います。特に、これから受験を迎える3年生は体調を崩さないように して人事を尽くして下さい。

 

 最後に、今年は戌年ですが、「犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ」と言います。犬で も三日飼っただけで、三年間その恩を忘れないと言うのですから、ましてや人は恩 知らずであってはいけません。保護者や先生方、その他、お世話になっている方々 への感謝の気持ちを持ちながら、皆さんが日々、一歩でも二歩でもステップアップ できるような飛躍の一年になることを願って始業式の式辞にしたいと思います。

 

 

(校長代理 神田 芳文)