職員室の声

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鹿児島第一中学校職員が、週2回、リレーでお届けするフリーメッセージです。

 

梅雨時の読書案内(川田)

2018-06-19

 梅雨の真っ只中、九州東岸を台風6号がかすめ、連日桜島の降灰にも悩まされるこの時期、外に出たくても出られず(ら抜き言葉に注意!)室内で過ごさなければならない時も多いですね。しかし、こんな時こそ、素敵な本との出会いのチャンス。そこで、今回は読書のススメ。我が家の本棚から中高生のキミたちへ「梅雨時の読書案内」です。お茶のお供に、枕元に、よければどうぞ。外は雨。 

 

1a.美達大和&山村サヤカ、ヒロキ著『女子高生サヤカが学んだ「1万人に1人」の勉強法』小学館文庫プレジデントセレクト

1b.菅広文(ロザン)著『身の丈にあった勉強法』 

● 勉強法がテーマの2冊。aは、勉強する意味に悩んでいるそこのキミへ。非常に特殊な状況、刑務所内の無期懲役囚との手紙のやり取りの中で女子高生サヤカと弟のヒロキが勉強する意味を学んでいくノンフィクションです。bは、勉強って何だ、何でしなければならないんだ。そう思ってしまうキミのために書いてくれたような本。高学歴コンビ、ロザンの菅が高性能勉強ロボと呼ばれた相方宇治原を観察、分析してまとめた親子で読みたい一冊です。

 

2.石牟礼道子著『苦海浄土ーわが水俣病』講談社文庫 

● 先日お亡くなりになられた著者の代表作。かつての水俣病を緻密に取材・分析し、「小説」としてまとめた重たい一冊。ゆっくりと、じっくりと、読みたい文庫です。近くで起こった公害病、きちんと知っておくことは大切だと思います。

 

3.倉嶋厚著『やまない雨はない』文春文庫 

● 倉嶋氏は昨年お亡くなりになりましたが、かつてのNHKお天気キャスターとして知られ、鹿児島地方気象台台長を務められたことがあり鹿児島にゆかりのある方です。実は、副題が「妻の死、うつ病、それから…」で、重たい内容ですが、「家族」をテーマに中高生にもぜひおススメの1冊です。

 

4.重松清著『その日のまえに』文春文庫

● 日常の「生」と「死」を、学校生活や家族を通して描いた連作短編集。感動と感涙なしには読み切ることができません。

 

5.森博嗣著(編集長)『MORI Magazine 作家・森博嗣が雑誌をつくると、こうなる。』大和書房

● 森博嗣ファンにはたまらないマニアックなジョーク雑誌。「子供っぽい大人のススメ」や「架空人物との対談」、「人生相談コーナー」など、一冊でいろんなジャンルの記事が楽しめる。梅雨時の暇つぶし?に最適です(笑)。

 

6.畑正憲(ムツゴロウ)著『ムツゴロウの青春記』文春文庫

● 動物王国のTVでお茶の間に有名なムツゴロウさんが若いころ作家として書かれた自伝本。何度読み返してもいい。まさに青春!です。受験勉強、恋愛から接吻に至るまで、青春期の心の葛藤を正直に赤裸々に綴っています。中学生には衝撃的かもしれないが、青春時代は昔も今も変わらない。ちなみに氏は東大出身です。続編『ムツゴロウの結婚記』等、シリーズ4部作あります。(現在絶版のようなので、興味があれば図書館や古本屋で見つけてください)

 

7.竹内政明著『「編集手帳」の文章術』文春新書

● プロの書き手(読売新聞コラム「編集手帳」の元執筆者)による文章作成の指南書。おもしろい。文章を書きたくなります。ただし、書くためには材料が必要ですね。いろんなこと、もの、分野にアンテナを張っておこう!

 

8a.赤瀬川原平著『新解さんの謎』文春文庫

8b.飯間浩明著『三省堂国語辞典のひみつ』新潮文庫

8c.サンキュータツオ『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』角川文庫

● 辞書愛、日本語愛を感じることのできる3冊。aは少し前の本だが抱腹絶倒、三省堂の「新解」さんを開きながら読もう。bは副題が「辞書を編む現場から」。同じ三省堂だがこちらは通称「三国」さん、「新解」さんとは別人である。編集現場の舞台裏がおもしろい。cはオフィス北野所属の芸人である著者の辞書愛あふれる文庫。ほどよくマニアック臭が漂って何とも心地いい。以上硬軟3冊を読み比べてみよう。日本語の奥深さに酔いしれること請け合いです。ぜひどうぞ。

 

9a.藤原和博『新しい道徳』ちくまプリマ―新書

9b.北野武(ビートたけし)著『新しい道徳』幻冬舎文庫

● 同タイトルの両書。aとb、ぜひ読み比べてみてほしい。いったい「道徳」って何なんだ。「いいことをすると気持ちがいい」のはなぜか。「いいことをする」のが、ホントに「いいこと」なのか。ダマされないためにも常に自分の頭で考える習慣をつけよう。…そして当たり前に、「勉強は大切」なのです。「人間」である我々の特権です。

 

 

(川田 真吾)