職員室の声

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鹿児島第一中学校職員が、週2回、リレーでお届けするフリーメッセージです。

 

中学入試と大学入試のココロ(川田)

2019-01-25

 

 1月20日(日)は「合格者説明会と入学手続き」が行われました。同時に,中学3年生にとってはいよいよ卒業,そして高校入学を強く意識させられる時期になってきました。そして,入学手続きを終えた合格者の皆さんのうちのどのくらいの人がこのページを閲覧しているのかまったく見当がつきませんが,合格者の皆さん,合格および入学手続きの完了おめでとうございます。4月からの中学校生活がとても楽しみですね。

 

 

 ところで,入学試験の問題はまだ手元にとってありますか?

 

 手元にある人は今回受験した理科の問題の第1問を再度見てみましょう。出題テーマは『階段スイッチの点灯・消灯』でしたね。本問を解き進める上で,基礎知識はほとんど必要ありませんでした。豆電球1個と電池1個の回路をスイッチによって点灯させたり消灯させたりしているだけですからネ。

 

 つまり,やや長めの問題文に怖じ気づくことなく取り組み,問題文の意図を理解し,指示にしたがって丁寧かつ正確に考察や作業を進めていけるかどうかをみるための出題でした。やや難しいことばで言うと『階段スイッチ』を素材にして「問題文から必要な情報を収集し適切に処理することができるかどうか」をみるものでした。

 

 採点の結果,予想通り,本問では出来・不出来が如実に表れた結果となりました。問題文から階段スイッチのしくみを理解し状況把握ができた人にとっては大変易しい問題だったと思いますが,分からない人にはまったく意味の分からない問題だったのでしょう。

 

 

 さて,20日(日)は「大学入試センター試験」2日目でもありました。本校の高校3年生のみならず全国の高校3年生や浪人生合わせて57万人を超える受験生が大学入試の第1関門に臨みました。

 

 実はそこで出題された「情報関係基礎」という科目の第1問/問2(p24-p25,14点分)の出題テーマが『階段スイッチの点灯・消灯』だったのです。まったく同じでホントにビックリです。タマガリました!

 

 でも,流石は大学入試,3階分!のスイッチについて問うています。が,問題の本質は本校の問題と同じ。『階段スイッチ』を素材にして「問題文から必要な情報を収集し適切に処理することができるかどうか」をみる問題のようです。ほとんど基礎知識は要りません。問題後半の解答番号【テ】だけは専門的な基礎知識(『論理和』について)が必要とされますが,それ以外は小学6年生でも時間をかけて問題文を丁寧に読み解いていけば答えられる「親切な長文問題」になっています。

 

 問題や答えはネット上のあちらこちらで公開されていますので,各自で見つけて印刷して,ぜひ挑戦してみてください。あえて繰り返しますが,これは「大学入試センター試験」です。やりがいがありますね。挑戦した感想をいつか今度ぜひ教えてください。健闘を祈ります。

 

 

 関連して最後に付け加えておきましょう。

 

 

 皆さんはAIについて知っていますか? 愛と読めますが,ここではエーアイ。そう,人工知能(artificial intelligence)のことです。今回の理科やセンター試験の問題,AIにやらせればいとも簡単に瞬時に解いてくれそうだと思うでしょう。でも,実はこのテの問題,AIにとって難問なんだそうです※。AIには,問題文の意味の読解がやっかいなのです。

〔※参考:新井紀子著『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』東洋経済新報社〕

 

 

 つまりAIは,解き方(解決のための手続き,アルゴリズム)をもとに技術者が組んだプログラムに忠実にしたがって解答を導き出してくれるのですが,AIはアルゴリズムやプログラムを自分で一から開発していくことはできません。そもそも何事に対しても「意味を理解すること」ができないのです。したがって,人間である技術者があらかじめ各種の問題に対応したプログラムを丁寧に組み,手厚くお膳立てをしてやらなければならない。いくら性能の良いコンピューターがあってもアプリがないとただのガラクタになってしまうのと似ていますネ。

 

 

 一方で,問題文の読解という高度なワザがいとも簡単にできてしまう「人間」の皆さんは,AIにできないことを既にある程度はできているのです。これからも,様々なことにアンテナを張って主体的,積極的に学び,体験し,学力向上を図っていきましょう。その先に皆さんそれぞれの活躍するであろう分野が待っているはずです。

 

 

 皆さんの好奇心次第で未来は何とでもなります。そうそう,AIにはそもそも「好奇心」が存在しません。あったとしても,それは『技術者があらかじめプログラムしておいた《好奇心に見せかけたもの》』にすぎないでしょう。  

 

 

AIに負けるな!未来を担う若者たち。

 

 

(川田 真吾)