職員室の声

職員室の声

 

 

鹿児島第一中学校職員が、週2回、リレーでお届けするフリーメッセージです。

 

京都に(村木)

2019-06-04

 

 京都に水無月(みなづき)というお菓子がある。それは,有名な御菓

子司の…というわけではなく,この時期になるとどんなに小さな和菓子屋

さんでも店頭に置く。しかし翌七月にはもう食べられない。

 三角形の白いういろうの上に大納言小豆がびっしり載っていて,私にと

ってはたまらなく好みの味。和菓子である。

 六月三十日にこのお菓子を家族で食べる。地元の友人たちの開設による

と,三角形なのは氷室の氷をかたどっていて,上の小豆は悪霊払いだとい

うことだった。一月から始まる一年間の,ちょうど半分,六月の末に食べて

夏越しの祓いとする。そういう意味合いのお菓子だそうだ。

 大学生のころにはさまざまなお店でこのお菓子を手に入れて,「私はここ

のが好みやな」「ここのんは柔らかすぎるよね」「いや,私はこれがええ」

などと言い合って,友人たちと味見会を開いたことを懐かしく思い出す。

 

 十年ぐらい前にも同じ話をここに書いた。この時期になると京都の友人

に頼んで送ってもらいたくなるとか,それよりも今はネットでお取り寄せ

ができそうだとか…しかし実は,あのときとは決定的に異なる状況がある。

私はこのお菓子のレシピを手に入れ,いつでも自分で簡単に作れるように

なったのである。「水無月三昧!」私は幸せな気持ちで六月三十日ではな

いどんな日でもお祓いをしているわけだ。

 だれですか?村木こそお祓いされる対象者ではないのかなどと言う人は。

 

 

(文責;村木)